評価 4.9

年代別に一人の女性、リンデの物語。

求めて求めて、自分の気持ちにあった人、それは決して現れずその見えない人を求めていくリンデの姿が痛いほどこちらに伝わってきた。

16歳から始まっているので、最初は友情の物語だ。
ちょっとした違和感を友達との間に感じているリンデ。
ボーリング場に行くがしっくりきていないリンデ。
この心のたゆたいのようなものが実にわかる、青春ってこういうものだなあと思い出した、相手に何かを求め理想があり、その理想との齟齬に唇をかみしめ・・・

次は28歳の結婚する前のリンデ。
彼と旅行していて、彼から見れば身もふたもない感想なのだろうが、リンデにとっては率直な感想を言うと彼が臍を曲げる。
このあたりもとてもうまい、わかる、こういう男っている!
知らず知らずのうちに女をコントロールしている男が。
言い方がソフトで決して暴力には至らないのだから始末が悪い。
読んでいて、こんな男、リンデ別れろ!と思っていた。
(で、別れたらしいが)

次は34歳のリンデ。
なんと結婚している、28歳の時の人とは別の人と。
が・・・これまたたちが悪い・・・
外から見たらとてもいい旦那なんだろう、でもリンデとは決定的に合わない。
いらいらさせる旦那の言動にこちらもイライラする。
ずれてるのだ、人の思いと旦那の言動が。
別れろ!こんな男!リンデ!と思っていた。
(で、別れたらしいが)

47歳のリンデはひょんなことから知り合ったジョウという男がもしかして運命の人かとも思う。
しかし・・・
話していくうちに、この人は違う・・・と感じていた。
心から一緒にいたい相手ではないとわかったのだった。
この瞬間のリンデの心がすうっと入ってきた、こちらの心にも。

63歳のリンデ、は配達の人を待っている、が来ない。
そして彼女の一人の日常が淡々と綴られている・・・・

・・・
面白いのはこの間に保育園で一人で眠れなかったリンデ3歳が入っているということだ。
リンデが怒られているのをただ一人庇ってくれて、嘘をついてまで彼女が寝ていたと言い張ってくれた男の子。
この子こそリンデの求める人だったのか。