2016.08.23 伯爵夫人


評価 4.9

英語で言う4words連発の純文学系ポルノグラフィーと言ってもいい。
これって出版していいんだっけ?という言葉の連続・・・
この性場面がくすっと笑える人は物語そのものを受け入れられる人、ここが苦虫噛み潰したようにさっぱり笑えない人は合わなかったということだろう。
私は、笑ったのだった、このあまりの過激な表現に。

まず、話としてとても面白い。
まず、伯爵夫人というタイトルだから伯爵夫人がそろっと出てきておはようございます・・・と目を伏せて言うぐらいの事を考えていた、私は。
ところがこの場合の伯爵夫人は、実は伯爵夫人ですらないような怪しげな人物で(というのは冒頭近く出てくる)高級娼婦と言われているような得体のしれない人物だ。
次々と男を誘惑し、籠絡していくような人物・・・
いわば謎の人物だ。
ここに、まだ女を知らない二朗が関わっていく・・・

物語は日米開戦前夜の東京に始まる。
二朗という育ちの良い青年が主人公で、伯爵夫人と名乗る中年の女性が登場する。
二朗の従妹が蓬子。
伯爵夫人は性に精通していて、あらゆる技術を持っている。
二朗はまだ女を知らない。


文体が古いのは狙っているのだと思う。
独特の言い回しがどんどんどんどん続いていく。
擬音語、も特徴的で、ばふりばふり、とか、ぷへーとか何度も出てきてそれは印象深い。
伯爵夫人の過去に行ったと思えば、現在の二朗さんとのかかわりが出てきたり、時勢すら凌駕している伯爵夫人。
そして、幻想的で迷宮に入りこんでしまう場面も多々あるのだ。
二朗さんがよくわけのわからない部屋に閉じ込められ次々と魔力のようにそちらの方向にがんじがらめになっていく場面など白眉だ。
また二朗さんが心をほのかに寄せている蓬子さんも味わい深い交流をしている。
胸のない蓬子さん、そして性に関心のある蓬子さん、いいなづけのいる蓬子さん・・・
二人が一線を越えずにそれでも二人がかかわりを持っていく様子が克明に描かれている。

後半非常に驚きの事実(かどうかわからないのだが)が暴露されていく。
また前編通して何度も出てきて重要なファクターになっているのが、白いコルネット姿の尼僧のついたココア缶。
画像がこれ。
dorosute
(よく見ると、尼僧が持っている缶にも缶を持っている尼僧がいて、無限ループのようになっている)

以下ネタバレ
・伯爵夫人は、二朗の実母であったかもしれない?!