評価 4.9

勝手な父親とその愛人に引っ張られ、ラスベガスの果てにまで来てしまった「ぼく」がいる。
もしかしてアンディの家にずうっといたら、そこで養子にしてもらったかもしれないのに・・・という思いも消えなかった。

この巻、学校での唯一の友達、しかし親友になるボリスの存在が非常に大きかった。
そこが読ませるのだ、ちょっと変わり者のボリス。
数か国語に通じているボリス。
はちゃめちゃな生活を送っているのに親も誰も気づかないし見ようともしない。
子供たちは子供達の生活をしているだけだ。
そしてそこで強烈なボリスと「ぼく」との友情(愛情でもある)が芽生える。
この二人の男の子の様子がなんといっても読んでいて楽しい。
ひとりぼっちだった「ぼく」に異色の友人ができて、それは普通であれば親が眉を顰めるよな友人なのだが、ここではそういう人もいないので、好き勝手に二人の家を行き来している様子も青春物語だ。
しかし、後半でボリスの恋愛が入ってきて、やや、「ぼく」が投げ出されるようになっている。

一方で隠している美術館からとってきた一枚の絵、は絶えず「ぼく」の頭を悩ましている。
誰にも見つからないようにするためにはどうしたらいいのか。
どうしたらこの罪の意識が消えることがあるのか。
こういうジレンマにさいなまれるのだ。
破天荒な生活をしている「ぼく」が最後の方で、父親の借金トラブルに巻き込まれていく、というのがなんとも辛かった。
変則的な形ではあるけれど、これはこれなりに友達がいて幸せではあったのに。

そして舞台は、犬を連れた膨大なバスの旅を経て、
都会のホービーの元へ・・・・
新たな展開が待っていた・・・