2016.09.29 新・怖い絵


評価 5

とてもとても面白かった、今回も。
この本のシリーズ、単純に絵の事を語るだけではなく、そこから派生した本とか映画を語ってくれるからそこもまた魅力の一つなのだ。

新怖い絵、でいえば、どうしたって幼年期の終わりをもう一度読んで確かめたくなるではないか!!
またゲイシーのピエロの絵は実にへんてこなピエロの絵だ。
見ているとくらくらしてくるようなうまいんだかなんだかすらわからないようなプリミティブな絵だ。
これを描いた人が、キングのあの名作ITの中のピエロのモデルの人とは!
すさまじい殺人犯の絵とは!!

表紙のミレイの作品も、単純にこのおフィーリアの物語を語るだけではなく、そこから漱石の草枕、椿姫と縦横無尽に話が広がっていくさまが読んでいてわくわくする。
ブナの森の修道院の暗鬱とした絵からは、ゴシックに触れそこから、オースティンのノーサンガー・アビーにも話をつなげるという巧みさがあった。

一つの絵から何かの小説を引き合いに出して語ってくれるのを堪能したのであった。