評価 5

ああ・・懐かしいし、このあたりの村上春樹も大好きだったことを思い出した。
そして今読んで、電子機器(ウォークマンとかですね)については古びてはいるものの、弾むような春樹節がそこここに炸裂している。加えて、今は亡き安西水丸さんの絵もまた感慨を持って見る。

いわゆるエッセイではあるけれど大上段に構えるのではなく、ちょこちょこっと日常を描いているように見える。
けれど、ちょこちょこっが実はとても難しいのだと思う。
そして、ぶれてない、この頃から村上春樹はかたくなまでに村上春樹であり、時計の増殖の話もディックの世界と結び付けてみたり、シェービングクリームの話、とかも読んでいて海外の話のようだった(海外の短編小説のようだった)。

そして読んでいると知らず知らずのうちに、非常に影響を受ける作家だとも思った、生き方にしても文章にしても。
これは憧れ、というのとはちょっと違って自分の深部に何らかの影響を及ぼすような、という意味で。