評価 4.9

ううむ・・・・面白いとは思う。
が、正直なところ、作品によって、か、私には。
インパクトが非常に強い作品もあるし、どうなんだろう・・・という作品もあった。
(噛み付き猫とかは、サキの作品を思い出したりしたし)
以下出した作品は非常にインパクトのあった作品だった。

特に最初の猿の話「26モンキーズ、そして時の裂け目」は衝撃的だった、このグランドイリュージョンは一体全体?
1ドルで人生に絶望した人にこの猿軍団を渡す、というアイディアそのものもとてもかえるし、猿がどうやって消失するのかというマジックについては不思議な心持がした。
また日常の猿たちの行動、いったい何だろう?
猿は神か。
猿は宇宙人か。
こういう疑問を投げつけながら話は進んでいく、
一読して忘れ難い作品になった。

またこれまた衝撃的なスパー
何が何だかわからない状況だけれど、宇宙遭難した女性が徹底的にある何かによって侵されている。犯されていると言ってもいいだろう、ここにもレイプという言葉は出てきているわけだから。
圧倒的な異質の植物のようなこの存在は何だろう?
全体に霞がかったような描写が続きひたすら女性の絶望が続いていく。
状況が分からないだけに(この女性にしても)絶望は深いのが見て取れるし、心がぞわぞわする。
そしてラスト!
これはどこなのか。
助かるのか。
それとも新たな絶望が待っているのか。

表題作、霧に橋を架けるは、霧の存在感が半端なくこちらに迫ってくる。
この霧はただの霧ではなく、人間を寄せ付けずここにもまたなんだかわからない人間を襲う怪物のようなものが住みついている。
この霧より高い場所に橋を架けようと技術者がやってくる。
そして一方で霧の中を進んでいく渡し守の女性との恋、彼女の一族の連綿とした歴史、彼女の弟の行く末、などがこの短い話にぎっしりと詰まっている。
この世界が何なのか、という説明はないに等しい。
けれど、霧という存在そのものが世界を支配していて、これを凌駕した橋を造らない限りは住民は日常生活を安心して送れないのだ、ということだけはわかってくる。