2016.10.06 9月漫画



絵とか線とかが好みじゃないなー(すみません)と思いつつ、でもでも文庫になったので手に取ってみて読んでみて
すぐに次の日に下巻を買いに走った本。
りくちゃんもしょっちゅう走ってます・・・

りくちゃんの家はとってもおしゃれ、だと思います、都会の中流家庭に過ごしていて、お母さんは潔癖でオーガニックな暮らしをしようとしていて、お父さんもりくちゃんと話をする優しいお父さんであって。
りくちゃんも学校で泣く「演技」をする以外は、友達で困っている様子もなく、先生からも泣く子でナーバスな子なのね認定をされているくらいでちょっと特別扱いだし。

けれど。
これは実は見せかけでお父さんは浮気をしているというのが早い段階でわかります。
しかも彼女を家に連れてきている。
りくちゃんはひょんなことからこの事実を知っています。
お母さんも実は知っている。
だから、見せかけの幸せな家族、だったのです。
ちょっとした綻びが色々なところに見えます、お母さんが大阪の親戚から送ってきたものをポンと捨てるところ、お母さんがやたら汚いというところ、りくちゃんが人前でしか泣かないところ、りくちゃんが鳥を殺そうとするところ。
そしてりくちゃんは大阪の親戚に預けられ・・・

ここで、りくちゃんが徐々に再生していくところがすごいと思いました。
厚かましいと思った大阪の人たち、しゃべりすぎ、つっこみすぎと思った大阪の人たち、言葉そのものが嫌いと思った大阪の人たち、ざっくばらんな人たちの中で、一人の男の子中心にりくちゃんは変わっていくのです。
あれ?こんなだっけ?自分?と思いつつ。
大阪にも問題はあるのです、家庭の中に、それもかなり悲劇的な問題が。
でもそれをおおらかに受け止めている大阪の人たちの姿もまたあります。
なんとかなんとかいい方向に行かないかと全員のベクトルが向いている大阪の家庭の人たち。
それをりくちゃんは肌で感じています。

・・・・・・・・・・・・・
いわゆる、いやーな子です、りくちゃん。
でも、誰の心の中にも誰の中学生時代にもひっそり心の中にりくちゃんが住んでいたのではないか、とちょっと思いました。
これはひとごとであり、自分でもあり。
少なくとも、私には中学時代にりくちゃんがいました、私の心の中に。
外には出さなかったけど。
流れていくりくちゃんの気持ちがとても分かりました。

本当に泣く、という意味を知ったりくちゃん。
そこがもう圧巻でした。