評価 4.9

写真を見て大喜びした、それぞれの映画の写真を。
特に最初の方のカラー写真にうっとり。
壮絶ともいえる、ヴィスコンティ自身の顔もとても迫力があってじいっと見入った。

続く写真と文章にうっとり。
文章を色々な人が書いている、淀川長治、海野弘、荻昌弘(懐かしい!)、唐十郎、円地文子(驚いた!)そして澁澤龍彦等々、に至るまでここまた綺羅星のごとき執筆者だ。以前書かれたものが収録されているので、古びているのか、と思いきや、これが全く古びていない。「その時点」の評なはずなのに時代を越えて、そうだろうそうだろうという気持ちにさせてくれるのだ。
特に、私が興味を惹かれたのは、ベニスに死すの淀川長治の解説だった、作曲家の道化のような恰好の前にあった出来事をさっぱり忘れていたが、そうかそこが伏線になっていたのか・・・
また家族の肖像にまつわる文章も、澁澤龍彦に始まり、3人の人たちが解き明かしていく心地よさがある。
また、ルートヴィヒについて円地文子が語ると、うたかたの記に出てくるルートヴィヒとの対比とかラストの一文がとても興味深かったのだった。