2016.11.11 何様



評価 4.2

何者は読んでいたけれど、もし読んでなくてもこれはこれで独立して読めると思う。
ただ、何者のあの人がここに、とか、あの子がここに、とかスピンオフとして登場してくるので(くっきり出てくるわけではない)読んでいたらいたで、楽しめただろうと思う。

最初の光太郎の話がとてもよかった(何者のコータロー)
高校生時代の他愛もないお話なのだが、いつも掃除をしているおとなしいでも英語ができる女の子に、英語が苦手な光太郎が、英語を教えてもらう場面とかは、まさに青春、だった。
友達同士での自分の位置、とか、友達同士での自分と一人のなった時の自分の違いとか、そういうい青春のいわば青い感情が瑞々しく描かれていたと思う。
最後、なぜ掃除をしていたのか、という謎解きもあって楽しい。
一方で、若者同士の言葉についていけなかった、これは私のせいだろう・・・・

逆算は、いろいろなことの逆算をしている女性の話だが・・・
自分の生まれた日をめぐって両親のことに思いをはせる・・・あるんだろうか。こういうのって。
なんだかものすごく作り物めいていたように感じた(小説だから作り物ではあるものの)

きみだけの絶対は、付き合っている女の子とのあれこれの話だ。
この中で、男の子の叔父さんになるのが、何者の烏丸ギンジだ。

むしゃくしゃしてやった、と言ってみたかった・・・
わかったようなわからないような話だ。
話はよくある話で、優等生の姉と問題児の妹で、人生途中で問題児の妹のほうがなんだか両親の愛情を受けている・・・
姉の爆発が面白い。
(ここで姉の相手になる人の娘さんが何者の瑞月。)

何様、は、逆の立場になった会社員の話だ。
自分が面接される立場と、自分がふるい落とす側の面接する側の立場とが入れ替わる。
そしてそこで自分が人間を判断していいのかというジレンマに襲われる・・・
これもまたとてもとてもわかったのだった。
選ばれるということ、選ぶということの不思議さとそしてそこに横たわるお互いのやり取りが心に残ったのだった。
(この面接官が何者の拓人を落とした面接官)