評価 4.8

本格ミステリとしてとてもよくできている作品だと思った。

特殊な技術でできた小型航空機ジェリーフィッシュ。
その発明者であるファイファー教授を中心とした6人のメンバーが最終試験に臨んでいるときに、閉鎖状態の中で一人が死体で見つかった・・・
そしてそのあと雪山に試験機ごと閉じ込められてしまい、一人また一人と犠牲者が出てくる・・


謳い文句に21世紀のそして誰もいなくなった、とある。
そのとおりで、誰が犯人かわからなくなり、全員が全員を疑心暗鬼の目で見ているのが始まっていく。
それが閉鎖空間であるということも孤島であるというのと同じだし
このジェリーフィッシュを作る過程そのものに何かあったのだろうというのが途中で容易に想像できる。

設定が、80年代(!つまり、過去の設定になっている)ジェリーフィッシュが発明されて飛んでいるということで、SFの要素もあるといっていいだろう。
あと、出てくる人たちが外人名前なので最初とてもとっつきにくいのも事実だ。
加えて国の名前もU国など、アルファベットになっているのはなぜかというのもある。
やたら、文章の横に『、、、』がつくのも目に付く。

それでも面白く読んだのは、読ませる力があるからだ。
途中までRで示されている人物とはだれなのか。
そもそもなぜこの人たちは閉じ込められているのか。
過去と現在が交錯して話が進んでいく・・・
ある一点である人間が重要な一つの質問をする、という場面だ。
ここがこの小説の見せ所ともいえよう。
ミステリとして、謎の開き方(つまり最終面)がとてもよくできていたと思う。
ただ一方で、動機はこれなのか、という疑問もわたしには残った。

以下ネタバレ
・航行機は二台飛んでいた。
亡命するために。
亡命計画を知っている人たちと知らない人たちがそもそもいたのだ。

・レベッカというまじめな女子学生の成果を奪った教授とその仲間を次々の殺害していったのだった、復讐として。

・サイモンはもともと殺されていてばらばらの状態で乗せられていた。
サイモンを名乗っていたのは、エドワードという男。

・見せ所の一つは
「あんた、誰」の質問。

ショッピングモールで買い物をしていた不幸な少年とその相手をしてくれたショッピングモールの店員レベッカ。
レベッカが殺されたときに少年が長じた男が全員を殺していく。