2016.12.06 ジュリエット


評価 4.8

しみじみとアリス・マンローだなと思った。
短編小説だが、たくさんある話の中にジュリエット、の三部作が入っている。

ひょんなことから、列車の中で出会った男が轢死してしまう。
それをショックと思ったジュリエットに、一人の男が寄り添うのだ、それが漁師のエリック。
彼のもとに嫁いでいくのだが・・・・


人生のちょっとした出来事、ちょっとした分岐点、ちょっとした機微のようなものを描かせるとアリス・マンローって天下一品だと思う。普通の人間はどこで人生が変わっていくのか予想がつかない。
それをぱっと切り取って鮮やかに私たちの目の前に提示してくれる。
そのあたりが心揺さぶられるのだ。

決してエリックと結婚しても幸せに暮らしましたとさ、で終わらない周到さがある。
娘との軋轢もとても印象的で、ある時に娘との決別を思う心情が実にきめ細やかに描かれているところも心に残った。