2016年11月の読書メーター
読んだ本の数:13冊
読んだページ数:4443ページ
ナイス数:343ナイス

生か、死か (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)生か、死か (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)感想
大変読みやすくそして最後ぐっときたミステリでした。ミステリであり恋愛小説であり『義』の話であると思います。主人公オーディがなぜ出所1日前に脱獄したか、ここがポイントになりますが、過去場面が非常に美しく抒情的で、特に父親と兄との回想場面、魂を寄り添った女性との恋愛場面はミステリということを忘れるほど堪能しました。あるところで、あ!とそれまでのことが一気にわかり、前のところで交わされた会話を読み返し、こういうことを言いたかったんだ!と思いました。ラストシーンもまた印象的で映像が頭に浮かびました。好きな本です。
読了日:11月30日 著者:
Dの殺人事件、まことに恐ろしきはDの殺人事件、まことに恐ろしきは感想
江戸川乱歩の作品群を現代のIT技術を駆使して今の物語にした作品群。ベースになった乱歩作品を知っていると更に比較ができると思います。一番驚いたのが、、陰獣幻戯、執拗にあることが書かれていますが、最後に(ああ・・だからだったのか!)膝を打ちました。スマホと旅する男は、基本はスマホ技術のあれこれなのですが、乗り物の不思議さ、よくわからない感じがぞくっとさせてくれました。赤い部屋~は原作も好きですが、これもラストがとても良かったです。表題作は展開が面白い。ただ、乱歩の怖さとは全体に違った怖さだとも感じました。
読了日:11月30日 著者:
本格力 本棚探偵のミステリ・ブックガイド本格力 本棚探偵のミステリ・ブックガイド感想
愛すべき馬鹿(ミステリ馬鹿・誉め言葉)でおおいに楽しめました。博士が女子高生とともに多くの古典ミステリをばしばし斬っていく部分も読ませたし未読本で読んでみたいと思った作品が数多くできました。ネタバレなしでこれだけ語れるってすごい!!みつをのもじりのみすを、には毎回毎回笑わせてもらったし、文字のなぞり書き(ミステリの一文)も笑ったしそのあとの一文もとても良かったし漫画もいいし。国樹由香の探偵の日常も犬愛とミステリ愛に満ちた喜国雅彦の日常が垣間見え楽しめました。トークショーにも行きましたがこれまた極上でした!
読了日:11月28日 著者:喜国雅彦,国樹由香
黄色いマンション 黒い猫 (Switch library)黄色いマンション 黒い猫 (Switch library)感想
一般のタレント本とは一線を画した本だと思いました。原宿に住むということ、原宿で遊んだ思い出、彼女のボーイフレンド、複雑(と私には見えます)な家庭環境、ちょっとやさぐれていた中学時代、アイドルであるということ。この中で、別のアイドルのことについて書かれているところが一番胸に刺さりました、そしてそのことを持ち出したファンに食って掛かるところも。生き残りの激しい芸能界という中で、芸能人であり続けるということは自分を問い続けることでもあると感じました。
読了日:11月28日 著者:小泉今日子
罪の声罪の声感想
最後の場面のエピローグで胸詰まりました。グリコ森永事件(ここではギン萬事件となっている)に子供の声が使われていること、未解決のこと、社長が誘拐され途中で解放されたこと、警察の失態があったこと、事件そのものが子供の食べるお菓子をターゲットしていること、など本当の事件とリンクして非常に綿密に描かれていました。この小説の成功は、子供の側の疑問で(それも育った子供の視点)始まっていること、だと思いました。かつてその声を録音した記憶すらないのにふっと見つけてしまった自分の幼い声・・・ここから全てが始まりました。
読了日:11月28日 著者:塩田武士
あひるあひる感想
表題作とともにあと二作品が入っていました。非常に読みやすくそして心のどこかをざわざわとさせる作品群でした。あひる、は、普通の家であひるを飼う(だけの)話、なのにこの不穏さと言ったら!まず語り手が資格試験の勉強をしているけれど謎であり、更には最初微笑ましくやってくる小学生たちの群れが徐々に変化していく様子も怖いし、両親も謎だし、でも一番怖いのは、あひる・・なぜ?なに?どこかが歪んでいる世界が非常に読ませました。あとの二作は緩やかにつながっていて、これまたおばあちゃんが優しいけれど不安感に満ちていました。
読了日:11月28日 著者:今村夏子
パードレはそこにいる (下) (ハヤカワ・ミステリ文庫)パードレはそこにいる (下) (ハヤカワ・ミステリ文庫)感想
二転三転するストーリー展開、そしてなんといっても度肝を抜くような開き方が読ませました。
読了日:11月21日 著者:サンドローネダツィエーリ,SandroneDazieri
パードレはそこにいる (上) (ハヤカワ・ミステリ文庫)パードレはそこにいる (上) (ハヤカワ・ミステリ文庫)感想
11年間幼少期に農場のサイロに監禁されたという異常な過去を持つダンテの造型が見事でした。彼の推理が際立っていて、さながらシャーロック・ホームズのようでした。加えて、これまた過去の捜査で心に傷を負った女性捜査官コロンバとの出会いにより、自分の過去と向き合うと同時に現在でも生きているらしいかつての犯人を追い詰める・・・下巻へ。
読了日:11月21日 著者:サンドローネダツィエーリ,SandroneDazieri
危険なビーナス危険なビーナス感想
読みやすいし読ませる、相変わらず。けれど、ミステリ云々の前に、私は白朗の女性に対する視線とか態度が薄気味悪くて仕方ありませんでした、すみません。
読了日:11月16日 著者:東野圭吾
秘匿患者 (ハーパーBOOKS)秘匿患者 (ハーパーBOOKS)感想
面白く読みました。重大事件を犯した患者の入る精神医療施設に送られてきた一人の男性ジェイソン。彼を診る側の医師リーサは、彼が全て来歴を隠してこの病院に来たということを知り何とかその精神状態を探ろうとします。彼の生育状況、事件、それを聞き出しているうちに・・・。いくつかフックがあり、そこに引っかかりながら読んでいくと最後であ・・・!これはこれだったの?とかあれはあれだったの?とか色々人と話し合いたくなる本だと思いました。場面展開が非常に多いのですが全く気にならず読めました。まだ腑に落ちないところはあるものの。
読了日:11月12日 著者:ジョンバーレー
何様何様感想
前作の何者も読んでいるけれど特に読んでいなくてもこれはこれで・・・。アナザーストーリーかなあ。ちょこちょこと何者の人たちが遠くで出てきたりします(瑞月のお父さん!!しっかりして!!。)強烈に前の何者と関連しているのは最初のコータローの話で、これは高校時代の模索のあれこれで若者の心の揺れとか良かったと思います。しかも光太郎が『何者』でなぜあんなに出版社にこだわったかというのがこれでわかってきます(遠くできっとこのことがあるのでしょう)。烏丸ギンジもある人の叔父さんとして出てきます。ただ・・展開的には・・
読了日:11月12日 著者:朝井リョウ
夜行夜行感想
衝撃的に良かったです。はじまりは、かつて英会話教室のグループで行った京都の鞍馬の火祭りに10年ぶりでメンバーで集まって・・・という話です。ところがその10年前に長谷川さんという一人の女性が姿を消したというところから、夜行という連作の絵がモチーフとなり・・・。全体に漂う不思議感、京都の夜のもやっとした感じ、夜行列車のイメージ、加えて独特の語り口で物語が語られます。全体が茫洋とした靄のようなものに包まれた優れた作品だと思いました。某乱歩小説も思います。そしてあるページで本を取り落とすほど私は驚きました。
読了日:11月12日 著者:森見登美彦
九十歳。何がめでたい九十歳。何がめでたい感想
笑いました、もうそこここで。おっしゃてることがただの「怒りの愛子」ではなく実にまっとうだから、うんうんと頷きながら笑えるのです。以前からのファンですが、お嬢さんもはやこのお歳・・・あら・・・。しかし90歳を超えてもそれを受け止め、しかも世の中の理不尽に目を向けられるという頭を持っていることに驚嘆しました。流されていない、ということが素敵なことですね。犬の話だけはもうじいんとしました。いつまでもお元気で!!(トイレの流すところのわからなさも実にわかりました)
読了日:11月12日 著者:佐藤愛子

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