2016.12.09 静かな炎天


評価 5

葉村晶が四十肩!とは!!
長くお付き合いしていると若かった探偵さんも年を取ったものだ・・・と感慨深かった。

6篇入っていて、どれも味わい深いミステリになっている。
ミステリ古書店に勤めながら、その上で探偵業も開いているという形式なので、古書店のイベントのあれこれもとても楽しい。こんなのをリアルな世界で普通にやってくれたらなんて素敵なんだろう。
葉村晶も相変わらずトラブルに毎回ぶち当たり、毒づきながら事件を解決の方向に導いていっている。
不運な探偵葉村の毒づきが今回も全編に流れている。

特によかったのが、タイトルの静かな炎天。
ひき逃げ事故でひどい重傷を息子に負わせた男が普通にまた飲酒運転をしているようだ、その証拠を取ってほしいという依頼が舞い込む。
そして事実そうらしいのだが・・・

この話、次々に依頼が舞い込み快刀乱麻のごとく次々に解決していく爽快さがある。
ところが、実はこの話、ある盲点があったのだった・・・
近所の人がいなくなる時期に、自分の認知症の母を殺そうと思った町会長(熱中症ということにして)
ところが葉村の存在のみがうっとうしいので、なんとか彼女を店から遠ざけようと画策するのだが、ことごとくすぐにすべてが終わってしまう厄日のような日だった。しかも葉村にその計画を見破られてしまう・・・・


最後の聖夜プラス1も、皆からついで頼みをされ、ついで頼みのせいで奔走し、様々な出来事にぶち当たり、最後、店に戻ってくるところで襲われるという悲劇の葉村がいる。
けれどそこには怠りない葉村もまた・・・
重要なサイン本を盗まれそうになるが(ブログで古書店主が近況をアップしてしまっているため)、盗まれた本は偽のサイン本だった。