評価 4.5

エミリーという女性が全てを捨てて家を出る、というところから始まる。
なぜ家を彼女は出たのだろう?
そして彼女の生きてきたこれまでの人生は何だったのだろう?
読んでいくとエミリーには愛する理想的な夫とまだ幼い息子がいたということがわかってくる。
自責の念に駆られているエミリーがいる。
ますますなぜ?何に対して?

どんでんかえし、の部分は確かに驚いたのだがそこよりも、私はエミリーの育ってきた環境、のところの方がずうっと面白かったのも事実だ。
視点も変わるし、心理描写も冴えている。

・・・
この物語の中でエミリーの双子の片割れである妹キャロラインが異彩を放っている。
いわゆる優等生で誰からも愛されているエミリーとは違って、いわゆる問題児のキャロラインだ。
生まれた時の状況から詳しく語られていて、どんなに母親が彼女を疎ましく思っていたかというのも語られている(途中までではあるのだが)

途中まで読んで、ひょっとしてキャロラインが夫を誘惑した?とまで思った。
キャロラインが奔放であるので、そう思ったわけだが、ここある意味当たっていることもあるのだが(←ネタバレではないと思います)
これが決定的なエミリーの家での原因ではない。
そしてエミリーの現在の暮らし、何も持たずに出てきた女性がどうやって生活していくか維持していくかというのが克明に語られている。
シェアハウスの汚さも、同室の女性エンジェルの助けている感じも、とてもよく描写されている。
華やかな広告業界に身を置くようになったエミリーの姿も颯爽としているが、そこにはまだ常に後悔が付きまとっている。

後半に行くにしたがって、名前も変えて全てを捨てたエミリーがいわゆる出世をしていくのだが、依然としてなぜ家を出たのかというのもわからない。
初期のある時に、もしかしたら?とは思ったことがあるのだが、それは別の描写で打ち消された(が、ここがあるトリックがあった)

・・・・・・・・・
真相・・・・
なんだか私はすっきりしない。
どうなんだろう、この結末って。


以下ネタバレ

・初期の段階で
主婦が全てを捨ててリセットするという気持ちになったのは
・夫の暴力(いい人に見えてひどかった)
・夫の不倫(妹と)
・息子の死亡(これは初期に思ったのだが、チャーリーという名前が何度も出てきて、それを打ち消された。が!)

・最後の段階のちょっと前で
チャーリーは犬の名前であり、息子は事故で死亡していたちょっと目を離したすきに、ということだった。
犬?

・この話、双子の相克と見ていたのだが、最後の最後で双子はたいして機能していない。
ただ、自分の息子と最後に一緒にいたのは、妹とエミリーではあったのだが・・・・

・それで。
このあと夫と復縁して双子の女の子を生む?
妹は死亡する?
エンジェルはいい人と結婚する?
これって・・・あまりに都合の良い結末ではないか。