評価 5

いやあ…面白かった!
こういう方向性で本を読むとは!
なんだか全部読んでみたくなったのだった、ここにあげられている文庫解説を。

そう、文庫の解説について語っている本なのだ、これは。
特に古典と言われているような本の解説に。

・・・
文庫の解説って、確かに読む。
本当の小説の事前に読むか事後に読むかというのは時によって違うけれど、ともかくもついていれば必ず読む。
腑に落ちない解説というのも確かにある。
これはいくらなんでも解説じゃないんじゃないかとうっすら思うこともある。
けれどそういうものなんだ・・・と納得してきたのだが・・・・
納得した背景には、「解説っておまけのようなもの」という認識があるからだろう。
おまけなんだから文句言っちゃいけません、みたいな気持ちがあるからだろう。
ついているだけでお得、みたいな気持ちが。

斎藤美奈子、ばしばしそこを斬る。
途中で何度も大爆笑した。
こばひでって!(あの小林秀雄です、容赦なく斬る斬る!)
よくわからない文章にはわからないと斬る、これも読める人だから斬ることが許される(わからない人だったらわからないというのが無知をさらけ出すようなものだから)

坊ちゃん、こんなに出ていてこんなに解説が違うだなあとまずそこで驚いた。
悲劇とみるか喜劇とみるか。
これを読んで、集英社文庫の坊ちゃん解説(ねじめ正一)を猛烈に読みたくなった、小学館文庫の夏川解説も。

伊豆の踊子、これは驚いた。
私が長年疑問に思っていたことがこの話の中ですっきりしたのだった。
それは、最後の最後で、なんでこの一高生が泣くのか、それも少年の学生マントの中で!
BLとは思わなかったのだが、なぜ?そもそもこの中で???
と長年の疑問だった、泣く気持ちはわかったのだが(と思っていた)
ああ・・・こういうことだったのか・・・

ティファニーの龍口直太郎の解説はとても覚えている。
なんだか衝撃的だったのだ、ティファニーに行ったのだなんだという話と、映画への否定と。
この映画の否定が、ハリウッド映画を否定してもいいんだに繋がると斎藤美奈子は喝破している。
映画を否定されたので長年見てなかったし(で、見たら案外私は好きだった)
これは同時に村上春樹の解説にも触れているが、ここは春樹、うまいなあ逃げ方が(失礼)と思ったりした。

他にも三四郎、赤頭巾ちゃん気をつけて、ひとひらの雪(ここも大爆笑した)、三毛猫ホームズシリーズと楽しい解説の解説、が続く)