2月の読書メーター読んだ本の数:10読んだページ数:3522ナイス数:284失踪者〈下〉 (創元推理文庫)失踪者〈下〉 (創元推理文庫)感想途中途中で、全く関係のない話と見える『何かに怯えて身を潜めている女性』『娼婦と、不幸な家の少女の二つの殺人事件』という出来事が見事に本筋に絡まってきます。また5年前の事件で一晩の宿のせいでマスコミの餌食になったマーク・リーヴの姿もくっきりと浮かび上がってきます。私はこの中で、ラストの真相にも驚きはしたのですが、もっともっとぐっときたのは、『ロザンナがなぜエレインを結婚式に呼んだのか、それほど親しくもないのに。』の告白でした。ここも人間の心のある種の部分を抉り出していると思いました。嘘についても考えました。読了日:02月23日 著者:シャルロッテ・リンク
失踪者〈上〉 (創元推理文庫)失踪者〈上〉 (創元推理文庫)感想非常に面白く一気に読みました。最大のミステリは『5年前に幼馴染の結婚式に行くために空港まで行ったのにあいにくの欠航で、そのあと杳として行方が分からなくなったエレインはどうなったのか』ということなのです。けれど、それだけではなく登場人物全員が生き生きと活写され、内面の心理描写もこちらにぐっと伝わってきました。冴えない容貌でぱっとしない辛い人生を送っていたエレインの姿が実際は失踪していないものの、痛いほどわかりました。そして、エレインの幼馴染で彼女を結婚式に呼んだ当の本人のロザンナの心理もまた克明に綴られて。読了日:02月23日 著者:シャルロッテ・リンク
ブロンテ三姉妹の抽斗―物語を作ったものたちブロンテ三姉妹の抽斗―物語を作ったものたち感想とてもとても面白く読みました。ブロンテ三姉妹の使った物を通して彼女たちの生活、作品などが語られていきます。詳しく作品に触れられているのでそこも読みどころの一つでした。私が面白いと思ったのは、犬への視点(確かに嵐ヶ丘、犬が出てきます、ヒースクリフの変貌と犬との関連性も面白い)と、手紙の章(親友エレンへの手紙は確かにジェインエアの親友を思い出させるし、一方的な恋文も興味深いし、何よりも郵便代!)と、墓の中に自分の何かを入れるということの意味など、堪能しました。ディケンズ、ウルフ、テニスン等他作家にも言及。読了日:02月14日 著者:デボラ ラッツ
人形 (デュ・モーリア傑作集) (創元推理文庫)人形 (デュ・モーリア傑作集) (創元推理文庫)感想あの『レベッカ』の作者の初期傑作短編集。とても良かったです。人間の心のざわめき、ちょっとしたことで崩れる心の何か、心の奥に潜む怪物のようなものを焙り出していくのが本当にうまい作家だと思います。私が好きなのは、島民のたまらなく退屈で平穏な日常がある一転で崩れる東風、最後も怖いが途中も怖い表題作人形、幻想的な雰囲気をたっぷり保ちつつ最後のところで現実が迫ってくる怖さのある幸福の谷、こういう女性いるいる、と思わせる笠貝、あたりです。しかしホラウェイ牧師!二回出てきてるけどなんとかしろ!とここは笑いました。読了日:02月12日 著者:ダフネ・デュ・モーリア
ライムスター宇多丸の映画カウンセリングライムスター宇多丸の映画カウンセリング感想質問があってそれに対してこういう映画を見るといいですよ、みたいな答えがあるという形式の本。面白いんだけど、きっと口頭で聞いたら(ラジオとかで聞いたら)宇多丸さんのあの弁がたつ感じとかでばしばし斬っていく感じとかがもっともっと伝わって面白いような気がしました。文字だとちょっとそれが欠けるかなあ。アイドル論のところは文字で思い切り楽しめましたが!読了後たくさんの映画が見たくなったし、見直したくなったのもまた事実であります。一点、出てくる作品の索引がほしいと思いました。読了日:02月12日 著者:宇多丸
帰ってきた海馬が耳から駆けてゆく(5)帰ってきた海馬が耳から駆けてゆく(5)感想友達を交えての生誕祭、前は大爆笑だったんだけど、今回私が大爆笑したのはそこではなく、ディーンフジオカ花粉症からの脱出の話、でした。いやあ・・・いいのかいいのかこんなことを書いて!と思いつつ大爆笑。わからないことを聞いてしまうどちて坊やにも大爆笑(私もこの傾向あるので)。あと体のことですが、健康面で見てもらっているお医者さんの怖さにも、くふくふしました。いるいる、こういうお医者さん!シリーズ長いですがこれからも続けていってほしいなあ~お体お気をつけて!!読了日:02月12日 著者:菅野 彰
文庫解説ワンダーランド (岩波新書)文庫解説ワンダーランド (岩波新書)感想時に大爆笑しながら読み進めました。こばひでって!(最大級に笑ったところ。重鎮小林秀雄)。いわゆる文庫の解説の解説、のような本です(過去の名作が多い)。文庫についている解説がこれほどまで出版社によって違っているとは!坊ちゃん一つにしても悲劇喜劇とこれだけあるとは!個人的には伊豆の踊子のラストがどうにも昔から解せなかったのですがすっきりしました。実は生真面目に分析しています。またわけのわからない解説をわからないと言ってしまうあたり、男気があると思いました(女性ですが)。切り口が非常に斬新でありました。読了日:02月05日 著者:斎藤 美奈子
映画と本の意外な関係! (インターナショナル新書)映画と本の意外な関係! (インターナショナル新書)感想大変面白く読みました。映画好き本好きだったら楽しめる本。最初のベルリン天使の詩のくだりも驚きました。インセプションのキルケゴールとの関係もそそられたし、leap of faithというのはこういうことなのか!!! という驚きもありました。ここからマトリックス続いてポセイドンアドベンチャーに行くところもお見事。20章のキャロルからハイスミスへの言及の中で、かたつむり小説はこういうことだったのか・・・というようにそうだったのか!という驚きが多かったです。見た映画も見ていない映画ももう一度見てみたくなりました。読了日:02月05日 著者:町山 智浩
三人目のわたし (ハヤカワ・ミステリ文庫)三人目のわたし (ハヤカワ・ミステリ文庫)感想全てを捨てて新しい人生を歩もうとしている主婦エミリー。過去からの思いを断ち切って名前まで変えて新生活に飛び込むエミリー。でも断ち切ろうとしても断ち切れない過去がずうっと彼女に付きまとっています。詳細な生い立ちから現在に至るまでが視点を変え、細かな心理描写を交えて描かれています。それにしてもなぜ出奔?それが大きな大きな謎になっています。ラストで確かに驚きはあるのですが・・・ちょっと私には腑に落ちないことが色々とありました、すみません。読了日:02月05日 著者:ティナ セスキス
聖エセルドレダ女学院の殺人 (創元推理文庫)聖エセルドレダ女学院の殺人 (創元推理文庫)感想極上のミステリ!犯人が誰かというのはもう最後どうでもよくなっていました、すみません。それよりも寮にいる7人の少女の生き生きしていることと言ったら!それぞれが得意分野があり持ち味があるのです、共通項は、「家で疎んじられているので家に帰りたくない少女たち」なのです。彼女たちの性格が実に鮮やかに描かれていて、読んでいて何度笑ったことやら。絶妙なのは、どんどん人がやってきて少女たちを混乱させその混乱が新たなる才能を開花させる(演技だったり、メイク技術だったり)ところでした。あり得ない箇所というのもまたご愛敬。読了日:02月02日 著者:ジュリー・ベリー
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