評価 4.8

SFでもライトSF寄りの物語だ。
とても面白く読んだ、この作者初めてだけれど、このシリーズだったらもっと読みたい。
続くらしいのでこの次も絶対に読みたい。

ちょっと、楳図かずおの漂流教室を思い出した。
ばっと教室ごと子供たちが異世界に飛ばされてしまう漫画だ。
でもこの小説は、ばっと異世界に飛ばされてしまうのだが、
それが複数の小学生で飛ばされたのはある一組を除いてそれぞれが一人であるらしい(まだ全員出てきていないのでわからないのだが多分そう)。
しかもこの飛ばされた世界が、
『地球ではないどこか別の星らしく、それぞれが別の星に飛ばされていて、しかもその星と星は近くにあるらしい』
という状況なのだ。
更には、飛ばされた時には小学生なのに、もう5年たっているので、少年少女になっている。
このあたりもとてもうまい設定だと思う。


あるものは記憶をわざと失ってボーダーになって
あるものはなんとか生き延びようと有名なダンスを踊る人間になって
あるものは過酷な労働環境の星でなんとかお金を貯めてどこかに行って(これも次巻・・・続くのだろう)
そして皆のところを訪ねて回る一人の飛ばされた少女・・・・魚住二葉(彼女が一番謎がある)

必死に生きていこうとする彼女たちの姿が心に響く。
太陽が二つだか三つだか見える世界にいるってどういう気持ちだろう。
誰も知らない人ばかりの世界、言葉さえ通じない世界(これは意外に簡単な通じ方があった)。

最初のきっかけが、どうやら同級生が始めてしまった
「13匹の猫の首をビルの屋上から投げ落とし、自分も身を投げると異世界に行くことができる」
という都市伝説からだった。
この都市伝説からの設定もとても面白い。
元々のこの同級生はどこに?
過酷な工場を脱出したあの少女はどこに?
一時期二人でいたうちの片割れの少年はどこに?
知りたくて知りたくてたまらない。

次巻、5月が待ち遠しい。
またこれと同時に出ている少年Nの長い長い旅も読んでみたい。