3月の読書メーター読んだ本の数:15読んだページ数:5106ナイス数:358少年Nのいない世界 01 (講談社タイガ)少年Nのいない世界 01 (講談社タイガ)感想好きです、これ。ライトSFって感じかなあ。小学生の子供たちが異世界に行ってしまうという設定で楳図かずおの漂流教室を思い出しました。が。これは一人もしくは二人がばらばらの『別の星』に行ってしまうという設定になっているのでさらに過酷です。誰も頼る人がいない場所、言葉も通じない場所で懸命に生きていった結果、5年の月日が流れて・・・一人の少女(彼女の意図も気になる!)が皆を訪ねて安否確認をし始めるのです。まだ出てこない子もいるので次巻が楽しみ!これと対になる少年Nの長い長い旅の方もぜひ読んでみたいです!読了日:03月29日 著者:石川 宏千花
完璧な家 (ハーパーBOOKS)完璧な家 (ハーパーBOOKS)感想完璧で素敵な弁護士の夫は、グレースという女性の、障害のある妹まで引き取り、明るく一緒に暮らそうよと言ってくれます。皆の前で妹とダンスを踊ってくれます。妹の好きな色の黄色で新しい部屋を作ってくれたりします。なんて素晴らしい人・・・、と思いきや!ありがちなのですが内容としては。ここには惨殺死体もなく血もほぼなく暴力もほとんどないのに、予兆だけでこれだけぞくぞくさせるとは。支配される恐怖、誰も自分を信じてくれない絶望感と閉塞感、脅迫の数々、上手ですそのあたりの描き方が。黄色と赤、そこがとても大きなポイントです。読了日:03月29日 著者:B・A・パリス
ゼロ・アワーゼロ・アワー感想猫、タンゴ、暗殺者、ブエノスアイレス。巧いんだけど。ど。読了日:03月29日 著者:中山可穂
失われた地図失われた地図感想特殊能力を持つ人たちがグンカと闘う、という世界がいきなり語られ始めるので、最初は戸惑いますが、そのうちに引き込まれました。日本各地に残る軍部跡地での記憶の残滓の語られ方が良かったと思います。ただ・・ちょっとストーリー的に弱いかなあと思いました。そして最後まで読んで、まだ途中と思いたいです。非常に読ませる部分がある反面、これではあまりに中途半端に終わっているから。読了日:03月29日 著者:恩田 陸
コードネーム・ヴェリティ (創元推理文庫)コードネーム・ヴェリティ (創元推理文庫)感想冒頭のところで過酷なナチの捕虜への処遇があり、悲惨な状況の女性が非常に哀れで心傷みました。その後彼女はイギリスのスパイとしてナチの捕虜になっていたことが判明し、手記で情報を書くように強制されます。凄惨な場面も折々に入ってくるのにこの手記だけど、青春物語の素敵なことと言ったら!出自の違うマディとクイーニーの友情、祖国と飛行機への愛と続き、特に印象的な場面は、飛行機から見た色の違った太陽の場面でした。第二章、全く違った観点があるので、第一章をなめるように読み返しました。最後は泣けました、私は好きですこの小説。読了日:03月22日 著者:エリザベス・ウェイン
ぼくが死んだ日 (創元推理文庫)ぼくが死んだ日 (創元推理文庫)感想楽しいです!一人の少年があるきっかけでゴーストたちの物語を聞くという羽目に陥ります。典型的なゴーストストーリーなのですが、中に、アッシャー夫人とか火事とか棺とかでポーを連想させ、またもろに猿の手の使い道が出てきて、先人の作品への強いリスペクトが感じられました。鏡の話もハリーポッターや白雪姫などあらゆるものに出てきますよね。一人一人の若くして死んだゴーストのストーリーが面白いので強く引き込まれました。墓碑に生年と没年あって、解説にもあるようにそこから歴史も話の中に織り込まれていてなかなか凝った作品なのです。読了日:03月22日 著者:キャンデス・フレミング
【2017年・第15回『このミステリーがすごい!大賞』大賞受賞作】 がん消滅の罠 完全寛解の謎 (『このミス』大賞シリーズ)【2017年・第15回『このミステリーがすごい!大賞』大賞受賞作】 がん消滅の罠 完全寛解の謎 (『このミス』大賞シリーズ)感想基本は、なぜ保険を掛けた末期癌の人が完全に治るのか、という謎につきます。癌治療のみならず現代医療の問題点、パンの食中毒の話、鬱的な傾向の人の文学作品の高度なことへの言及と話題が多岐にわたる部分が面白かったです。会話で重要な部分が進んでいくので、ここがやや平板でたまに誰が誰やら混乱しました。地の文章だったらなあと。あと・・・謎があいても、一般人の私としては医療への不信と(物語とはいえ)気味悪さが先に立ってというのが正直なところ。決してつまらなくはなかったのですが。最後の一行・・・ううむ・・・読了日:03月22日 著者:岩木 一麻
神様の裏の顔 (角川文庫)神様の裏の顔 (角川文庫)感想このタイトルから当然、誰かの裏の顔の話、と思って読者は読むわけです。聖人君子のような誰からも愛される教師が死んだ、という話が冒頭あり皆が絶賛していて、(怪しい・・・)と読者はここで既に思うわけです。そのあとやっぱり!の展開がありそこで終わりと思っていたら、え!の展開があり、更に、裏の顔はこういう意味だったのか!という・・・・。面白いのですが、全部わかってしまうとそうなのか、となんだか物足りなさが残りました。一読で終わっちゃうかなあ。そこここにユーモア場面があります。読了日:03月17日 著者:藤崎 翔
僕が恋したカフカな彼女 (富士見L文庫)僕が恋したカフカな彼女 (富士見L文庫)感想カフカという一文字と、この作者なので読んでみました。カフカ部分は非常に楽しく、もしカフカ作品を読んでいなくても読んでいてもどちらでもこの考察とかおしゃべりは読ませると思いました。ただ、惜しむらくは、主人公と女子学生のキャラクターがあと一歩・・・。特に女子学生の方、なぜ彼女がカフカをそれほど愛するようになったのか、という最初の部分を知りたいと思いました。ちょっと盛り込みすぎなのかなあ・・・彼女の謎、日常の謎、そして大きな事件の謎と。でもでも、198ページの謎は倒れるほど驚きました!!次作希望いたします。読了日:03月17日 著者:森 晶麿
青鉛筆の女 (創元推理文庫)青鉛筆の女 (創元推理文庫)感想青鉛筆の女!(彼我の違いを再認識)話は3つの分野にくっきり分かれています、パルプフィクションと編集者からの手紙と改訂版と称する小説の3つに。編集者からの手紙で、どんどん書き替えさせられるフィクション。3つの中で改訂版の自分がいわゆるタイムスリップ&自分の存在自体が危うい世界に行くという部分が非常に面白く読ませました。それとパルプフィクション部分が重なり合い最後の方で思わぬ展開がありました。史実を知らないと面白くないと思うので、ウィキペディアを横に日付と用語を読むと更になるほど!と思う部分があると思います。読了日:03月15日 著者:ゴードン・マカルパイン
地中の記憶 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)地中の記憶 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)感想うねるように話が進む緻密なミステリ。過去の視点は『わたし』であり、現在はアニーの視点の三人称でした。15歳の年に井戸の中を覗き込むとそこに将来の伴侶が見える、という言い伝えを信じて屈折した少女アニーが覗き込みに行くというところから物語は開幕します。冒頭から途中まで過去に何が起こっていたのか、起こっているのか、この人は真実を知っているのかいないのか、小出しに出てくるので概観がわかりにくかったのですが途中から一気呵成。過去のジュナのキャラクターが強烈で両方の時代の姉妹のありようが重なってそこも読ませました。読了日:03月15日 著者:ローリー ロイ,Lori Roy
深い穴に落ちてしまった深い穴に落ちてしまった感想自分の頭が深い穴に落ちてしまった、のかと思いました。素数?暗喩?寓話?これの解答編、のような本がほしいです、いかにそれぞれで読むとはいえ。読了日:03月15日 著者:イバン・レピラ
最後の秘境 東京藝大:天才たちのカオスな日常最後の秘境 東京藝大:天才たちのカオスな日常感想藝大の中が音楽系と美術系がまったく違っているというのになるほどなあ・・・と思いました。音楽系の話では、ちょっと前に読んだ小説恩田陸の蜜蜂と遠雷を強く思い出しました。やっぱりコンテストとの戦いなのですね、あと先生とは師匠と弟子の関係。これが美術になると、自分よりもその作品だし、一過性のものでもないし、全く違う藝術なんだと改めて思いました。面白く読んだのですが・・・・続編を出してほしいです、掘り下げるために。藝大の数名の人たちだけではなく、先生とか両親とか(出ていましたが間接的が多い)へのインタビューとか。読了日:03月10日 著者:二宮 敦人
騎士団長殺し :第2部 遷ろうメタファー編騎士団長殺し :第2部 遷ろうメタファー編感想騎士団長が出てくるところは言葉遣いにユーモラスさを感じました。一方で禍々しい鈴の音が鳴っていた土の中、これが最後になってまたきいてきます、ここは村上春樹の某小説の井戸の底に行く感じでした。免色さんの娘への思いの形がギャツビーの行動と同じだなあというのも強く思いました。父と子のモチーフが形を変えて現れています。夢での交わり、一人称、おしゃれな料理、音楽、文学への造詣とそこも楽しめました。一方で私には謎が残っています、免色さんの心の奥の闇とは何か。なぜ彼は最初の段階で穴を強烈に掘ったのかなど。エピローグは?読了日:03月10日 著者:村上 春樹
騎士団長殺し :第1部 顕れるイデア編騎士団長殺し :第1部 顕れるイデア編感想楽しめました。今までの村上春樹を読んでいるとそこに使われていることがたくさん出てきますが、私は焼き直し、ではないと思います。一人称で書かれていて、今回は主人公は画家で、肖像画で糊口をしのいでいたのですが、妻との別居を機にある画家の別荘に住むことになるのです。最初にプロローグがあり、そこに顔なしが出てくるので、これはいったい?と思っているとラストまで読むとこの話だったのか!と膝を打ちました。広義のミステリでもあり、肖像画依頼してくる免色さんは一体何の意図が?とか、鈴の音は?とか引っ張っていってくれました。読了日:03月10日 著者:村上 春樹
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