2017.04.05 堆塵館



評価 4.9


ご・・・ご無体な・・・
殺生な・・・・
ここで終わりか!
次を早く!!!(もうすぐ出るらしい)

久々のエドワード・ケアリーだったけれど、とても面白かった。
独特な奇妙な挿絵がまたいい。
振り仮名がふってあるので、子供向けでもあるだろうか。
これを子供の時に読んだら、楽しいだろうなあと羨ましくなった。

読みながら、何かを思い出す・・・と思ったら
テレビドラマのダウントン・アビーとハリーポッターだった。
ダウントンアビーの場合、召使たち(執事なども入る)と上流階級の人たち、なのだが、くっきり上下階に分かれている。
(ちなみに表表紙と裏表紙にその家の断面図?が載っていて、これまたじっくり見ると面白い!)
堆塵館でも、
上の階と下の階(というか地下)はくっきり分かれていて、下の階の人たちは上の階の人たちが寝静まった後いろいろなことをこなさなければならない。

ただ違うのは、これが巨大なゴミ屋敷であり、外側もゴミであるということだ。
屋敷の上の階にいるのは、アイアマンガーという純血の一族なのだ(ここがハリーポッターを想起させる、純血というのがとても重視される魔法世界ではここがマルフォイとかそのあたり)。
下の階にいるのは、そうではない人達で、両親のどちらかがアイアマンガーで、その二世三世の子供たち、が召使になっている。(ハリーポッターだったらここが

まず上の階のアイアマンガーの人たちは、生まれた時に『何かの物』をもらう習慣がある。
これは、把手だったり、暖炉だったり、お風呂の栓だったり、人それぞれだ。
自分の命と同じようにその『物』を大切にしなければならない決まりがある。
この『物』が叫んでいる声が聞こえる一人のアイアマンガーがいる、それが体の弱いクロッドという少年だ。
物は何を叫んでいるかというと、自分の名前(これも後半で意味が分かってくる、なぜ名前を叫んでいるかという意味が)

またもう一人の主人公は、普通の世界からここに召使としてやってきたルーシー・ペナント。
なんせ元気がいい、そして彼女の視点で不思議に思う質問は、読者が思う質問なのだ。
ルーシーは普通の人間の視点というのを代弁している女の子なのだ。

このクロッドとルーシーの出会いから、クロッドの親友の思いがけない出来事や、ルーシーの窮地など何しろ話はあちこちに行き、楽しませてくれる。

・・・・
後半、なぜ、物が名前を持っていたのか。
なぜ物が名前以外を語り始めたのか。
その謎が解けていくところもまた読ませる、あああ!そういうことだったのか!と。
クロッドが物のの名前を聞けるということはとても意味があったことだった。
また、堆塵館がどうやって出来上がっていったかという語りもまた読ませる部分だった。
外に投げ出された(つまりごみの上に投げ出された)ルーシーの描写もまた迫力がある。

次巻が待たれる。

・・・・
以下内容のことではないのだけれど。
(最後の解説で
クロッドやロザマッドの意味(確かにカタカナじゃわからない・・・)
名前のずれでハリエットがホリエットとか(確かにカタカナじゃわからない)
とあるので、これを一覧にしてほしい。
あと、登場人物表がぜひ欲しいと思った。これはつけてないのに何か意図があるのだろうか?
英語と日本語で登場人物表をつけて、そこに名前とともに、クロッドの英語の意味、ロザマッドのマッドの意味をつけてくれたらこんなにありがたいことはない。)