今月はまずこれ。
ありがち、なんです、ミステリとしては。
ありがち、というか、もしかしたら、ある線を越えたらバカミスになってしまうのではないか(バカミスを馬鹿にしているのではありません)と思うくらいの設定であります。
けれど!
佐藤正午の手にかかるとこれが鮮やかな巧みなミステリになるわけです。
語り口が非常に巧いし、ともかくも読ませるのです。
冒頭の東京駅の喫茶店の全く分からない会話から、最後の愛溢れる光刺すシーンまで、が読む手を止まらせませんでした。

佐藤正午万歳!

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一瞬の邂逅ということを思いました。
一瞬ではないけれど、長い人生から見れば、ほんの一瞬の邂逅。
それがとても印象に残る本でした。

目の見えない女の子と、孤児の男の子の一瞬の邂逅の物語。
ラジオとか小道具がとても良い効果を上げていて、しかもそれが伏線になっていることに後半気づきます。
鮮やかな物語。

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ふと気づきましたが、もうすぐ?
この続きが出るのは!!!

これまたファンタジー好きではない私にすらとても面白く、この奇妙な絵とともに楽しめました。
ボーイミーツガール(不思議な場所で不思議な人たちですが)の話であると同時に、『物』そのものの話でもありました。
物の声が聞こえるってどういう感じなのでしょう?
すごくいいところで終わっているので、次が次がともどかしくてたまりません。