2017.05.16 人間じゃない


評価 4.7

それぞれの作品が何かの綾辻作品のスピンオフのような作品だ。

・『人形館の殺人』の後日譚赤いマント
・『眼球奇譚』シリーズ崩壊の前日
・『どんどん橋、落ちた』の犯人当て連作の番外編として急遽書かざるを得なかったという洗礼
・『深泥丘』の番外編蒼白い女
・『フリークス』連作人間じゃない --B〇四号室の患者--

ホラー、ミステリ、不思議話、と魅力いっぱいの作品がつまっている。

表題作が思い切り怖い。
ずずっずずっというような擬音を見ているだけでも何かが出てきそうな気がする。
場所が病院だけに余計に怖さが増している。
絵がおのずと浮かぶ作品だった。

冒頭の赤いマントは、ごくまっとうなミステリだと思う。
誰もいないはずのトイレから聞こえた声、そして血の赤・・・
印象的な事件の後、その真相がわかるのだが・・・

最後のあとがきを読んでいると、洗礼が、書くべくして書かれた作品だ。
お世話になった故人との大学時代からの長い間の繋がりが、謎解きというイベントを通して描かれている。
その思い出とともに犯人当てミステリを構築しているのだ。