評価 4.6

さらっとした青春小説で楽しく読んだ。
徐々に仲良くなっていく高校生の男女の5人組の姿が微笑ましい。
皆で文化祭を頑張るクラスの様子もくすぐったいくらいに眩しい。
ちょっとした隠し事を皆が持っていて、それが何なのかという小さな小さな謎解きもある。
それぞれ特殊能力?を持っているという設定が、小さなスパイスになっている。
アニメとか漫画になってもこの話、楽しく見ることができるんじゃないかなあと思った。

ミッキー、元気いっぱいの女の子、当たって砕けろの側面が。
エル、登校拒否だったのをミッキーに救われる、裁縫が得意なおとなしい女の子
パラ、ぱっぱらぱーから来ているけれど、クラスでリーダーにもなれる女の子
ヅカ、体育会系の爽やか少年、皆から愛される男の子、ミッキーと同じ中学出身。
京、内気な男の子、自分の思うことがなかなか言えない男の子、ヅカの親友。


京は、皆の頭の上に?や!や。。。の記号が見える。
だからその人が何を本当は瞬間的に考えているかわかる。
ミッキーは、皆の頭の上にバーがあってそれがプラスの方向とマイナスの方向に動いてるのが見える。
パラは、皆の頭の上に数字が見えて、それがリズムを刻んでいる、何かがあるとそのリズムが乱れている。
ヅカは、皆の頭の上に、トランプカードともに喜怒哀楽の文字が見える。
そして、エルは、皆の体から出る矢印➡が見える。

この設定、荒唐無稽だしいきなりという感じはするけれど、この話の中だと、ほわっと受け入れられるのだ。
京の内気な男の子っぷりも、彼が全く正反対の男子ヅカと仲良くしている様子も心温まる。
クラス皆の文化祭での劇の様子とか(最後のパラのまとめ方がお見事)、受験で将来が見えないミッキーの悩む様子とか、思いがけないことで登校拒否になったエルを引っ張り出すミッキーの底力とか、読んでいて微笑ましかった。
そして、最後の話で、ある一つの思いが皆の気持ちで結集していく・・・

・・・
この話、携帯とかスマホが出てこないなあと思いながら読んでいた。
連絡を取るのもスマホが出てこないし、困ったことをスマホで調べるわけでもないし。
いつの時代の話なんだろう?
いずれにしてもスマホが出てこないとこんなにほのぼのとした高校生活があるんだ、というのを改めて思った。
スマホの功罪はあるのだろうけれど。

またミッキーのみ、ちょっとわからない女の子だ。
単純すぎてわからない。
他の子は想像がつく範囲の高校生だけれど、簡単に言えば猪突猛進の元気な女の子、この学校でこのクラスだから受け入れてもらえて良かった、他の場所ではミッキーが一番外されそうな子だから。