2017.05.31 ガラスの靴


評価 5

ファージョン版のシンデレラ。
初めて読んだのだが、やっぱりファージョンだからとてもとても奥深い。
そしてファージョン独特の夢のような豊饒な言葉で紡がれたシンデレラストーリーだ。

一番驚いたのは、お父様がとても弱気で義理の母、義理の姉妹に言い返せないことでもなく、シンデレラの境遇がハリーポッターのようにある一つの部屋台所に押し込められていることでもなく、道化の存在だった。
道化!
王子様側にいる道化が異彩を放っている。
そして道化がいることでこの話、格調が上がっているのも確かだ。
(遠くでシェイクスピア劇を思う。
またシェイクスピアと言えば、途中の伝令官の歌、精霊たちの歌、などの各種の歌、もシェイクスピア劇を思う。)
王子が何かを言う、道化が答える。
エラの義姉たちが行った時にも道化を王子と勘違いする面白さも含んでいる。

また、シンデレラ(この場合エラなのだが)が部屋とされている台所にいる時に周りの大時計やらテーブルやらと話をするファンタジーの世界の光景が何と言っても楽しい。
(ここは、美女と野獣をちょっと思う)
祈ったからシンデレラの衣装を用意してくれるおばあさんが配置されるのではなく、おばあさんを外で助けたということから見返りをもらう、という展開も目新しかった。

更に、王子様との出会いの後、ガラスの靴を家々に持って回るのではなく、それをはくのに皆がやってくる、というのも目新しかった。
食べ物の描写も楽しくて思わずこれはなに?と食べたくなる。
司会者が歌う、極上の砂糖菓子のトライフル、なんておいしそうなんだろう!
ドレスの描写も美しく煌めいていて、どのドレスも実際に見てみたくなる。

意地悪な義母様・・・なんとかつらだったとは!
そしてその姿になった時にタイミング悪く、伝令の人が来るとは!(ここちょっと笑った)