2017.06.22 穢れの町


評価 5

前巻で、うおおー次を早く!!!どうなるこの二人は!!と思っていたが、次のこの穢れの町、でも同じことが起こる。早く次を!!
エドワード・ケアリーの語りの巧さ、凄まじさが怒涛の如くこちらになだれこんできて、物語世界に一気に連れて行ってくれる。

相変わらず不気味な挿絵が素晴らしくこれがこの話を盛り上げていることは間違いない。
表紙を開いた見開きのところの図は、前回はお屋敷の図、今回は町の鳥瞰図になっていてここも楽しめる。
裏表紙を開いたところにはポスターが貼られている(これも見ていくと楽しい)



<以下内容に触れるので一部ネタバレになると思います>

今回は、タイトルにもあるように、町のフィルチングが主役になっている。
前巻は、お屋敷が主体で町はちらっとしか出てこない。
前巻で離ればなれになってしまった、アイアマンガー一族のクロッド。
死んでしまったらしい恋人ルーシー・ペナントを探していく・・・
クロッドが前巻では、おどおどしていて自分の特異な能力(その人が持っている誕生の品物の声が聞こえる、そしてそれによって品物がかつて人間だったことを知る)さえも生かしきれなかった、感じがしたが、この巻では、成長して自分をいわば敵地のようなところでもアイアマンガーと宣言できるし、ルーシーを見つけるのに全力を尽くすことでより強くなっている。

ルーシーは一旦ゴミにのみ込まれて死んだ?と思わせられていたが、実はどっこい生きていた。
いかにもはねっかえりで元気の良いルーシーらしく、最初わけのわからぬゴミの中の物にてきぱきと指示し、ゴミ山から何とか脱出しようとする姿が印象深い。

・・・
この話、町、なので、いわば貴族として君臨してやりたい放題(思ったよりやりたい放題だった)のアイアマンガー一族を、貧民の死町の庶民たちがどう見ているか、というのがよくわかった。
病気がそこら中に蔓延していて、治安の悪い汚い最低の町、フィルチング。
そこに住む人たちと住まざるを得ない人たち。
途中で、物から人へ、人から物へと流動的に話が進んでいくところが一気に読ませる。

感動の再会もあるのだが、そのあと・・・
次巻が待たれる!