2017.06.22 漱石漫談




評価 5

いやあ・・・楽しい楽しい!
漱石本をいとうせいこうと奥泉光が怠惰なしていくという趣向の本だ。

何よりもいいなあ・・・と思うのは、突っ込みはあるものの、二人が強烈な漱石ファンであるというのが前提になっているところだ。
本を語るということで対談するのであれば、愛がなければもやっと感が残るなあ・・・と他の対談本を読んで思っていたので、この本はなんとも痛快だった。

こころに始まり、坑夫で終わる。
この中で、行人の二人のやり取りをあげている部分がとても面白い考察だったと思った。
こうしてみると、直は割合自分の気持ちを言っている女なんだなあと再認識した。
門の章ごとの組み立て方もなるほどなあと思ったのだった。

奥泉光が小説家の目として、三人称、一人称にこだわって着目していくのも、わかるなあと思ったのだった。
また漱石がコミュニケーション不全による孤独という指摘もあり、ここもまた注目して読んでみるとまた新たな読み方ができるかもしれない。
猫温泉の言葉も忘れ難い。
いとうさんは、美禰子が嫌いと(そしてこれはとてもわかる、私も好きじゃないので)、童貞小説目線があった。

いずれにしても漱石を強烈に再読したくなる一冊だ。

(作品ごとに挟まれる、バーナード嬢曰く漫画も笑える笑える!)